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120回-参-法務委員会-04号 1991/03/26
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労働省労働基準局補償課長    出村 能延君
厚生省社会局保護課長      炭谷  茂君
外務省国際連合局人権難民課長  角崎 利夫君
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○紀平悌子君
 労働省、厚生省、外務省に続けて申し上げますので、よろしくお願いいたします。
 現在、不法就労外国人は改正法施行後もふえている一方だというふうに承知しております。その人々のうちの多くの方々が、きつい、危険、汚いという、いわゆる三キ労働という職場で、体調を崩したりそれから労働災害に遭う例もあるというふうに聞きます。
 労働省にお伺いしますけれども、こうした外国人労働者について医療の実態はどうなっているんでしょうか。不法就労労災の現状とか今後の対応策。
 そして厚生省には、生活保護の実態について教えていただきたいと思います。
 昨年の十二月国連が採択しました、あらゆる移住労働者の権利を保護する国際条約につきまして、日本の批准等の方針はどうなっておりますでしょうか。検討は始めておられるんでしょうか。これは外務省にお伺いしたいと思います。
 時間もございませんので、簡潔かつ中身をしっかりお願いをいたします。

○説明員(出村能延君)
 先生御承知のとおり、労災保険は、国内の事業場に使用されている限り、被災労働者が日本人であるか否か、あるいは不法就労者であるか否かを問わず、日本人の場合と同様に適用されるところでございます。今後ともこのような観点に立ちまして迅速適正に対処をしてまいりたいというふうに考えております。

○説明員(炭谷茂君)
 生活保護について御説明させていただきます。
 生活保護は法律上は対象を日本人に限定いたしているわけでございますが、永住者、定住者など日本人と同様な生活を営むことのできる外国人に対しましては、予算措置により生活保護に準じた取り扱いを行っております。しかしながら、今お尋ねの外国人不法就労者につきましては、生活保護の目的は、法律に書いておりますように、最低生活の保障とその自立の助長を目的といたしており、またそれを権利としてその生活を扶助することが制度の目的でございます。
 そのような理由から、現在外国人不法就労者に対しましては生活保護の適用はできないと考えております。

○説明員(角崎利夫君)
 お答え申し上げます。
 移住労働者及びその家族の権利保護に関する条約につきましては、先生御承知のとおり、昨年の十二月に国連で採択されました際、我が国はその条約の理念そのものは理解できるということで、その無投票採択に参加したわけでございますが、ただし条約の中には我が国にとりましても問題となり得べき点が多々ございまして、これらの点を含めまして十分慎重に検討する必要があり、現在締結の見通し等につき申し上げられるような状況には至っておりません。

○紀平悌子君
 三点についてお答えいただいたわけですけれども、これはもっと申し上げたいこと、お伺いしたいことはございますけれども、次の機会に譲らせていただきます。