123回-衆-予算委員会第四分科会-01号 1992/03/11

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黒木政府委員/厚生省保険局長 黒木 武弘君
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○大畠分科員
 次の質問は、今外周人の労働者の方がいろいろふえております。私の友人の医者から言われているのですが、外国人の方の医療保険制度といいますか、これも何とかしないと大変なことになるよ。医療費が高いからじっと我慢していて、さんざん悪くなるだけ悪くなって、どうしようもなくなって医者に来るというケースもあるというし、とにかく人権問題からいって、日本の保険制度の中に外国人のケースについてもやはりもうちょっと明確にすべきじゃないか。
 そこで、まとめてお伺いしますが、一つは、外国人の方が一週間から一カ月旅行なんかで来ますね。そういう方もいますし、また一年くらい滞在するという方もいますし、それから今の外国人の労働者の問題じゃないのですが、二年間くらい滞在する方がいます。そういう外国人の方々に対してどういう指導をしているのか。例えば飛行場でおり立ったときに、日本の国内ではこういう医療制度がありますから加入する人はしてください、あるいはこういうシステムがありますからやってください、こういう指導をしているのか。そういう外国人の方々に対する保険制度については、厚生省としてどう考えているのかということ。
 もう一つ、言葉の問題があるのですね。どんなに医者に行っても、話がわからなければ、ただここら辺をこうやっているだけで、何を言っているのかわからないということでは非常に困るわけでありまして、日本の国内で外国人の方に対する医療のサービスといいますか、そういう体制は、言葉のことも含めてどういう形で対応しようとしているのか、時間がないので、あわせてお伺いしたいと思います。

○黒木政府委員
 外国人に対します医療保険の適用でございますけれども、適法に我が国において滞在または就労している外国人に対しましては、私どもとしては、国籍を問わず、日本人と同様に医療保険を適用することにいたしております。
 どういう指導をしておるかということでございますけれども、例えば空港等で、どういう保険があってどういうふうにして入りなさいという指導は、残念ながらいたしておりません。就労をされた場合に、就労があれば健康保険に入ることになっておるからということで、会社側で健保に入る形を整えていただきますし、滞在されている場合には、一年以上滞在される場合には国保に入っていただくことになるわけでありますけれども、外国人登録等をされる場合に、一年以上の滞在の場合には国保に入れますというような形で、市町村の窓口で対応しているわけでございます。
 その際、外国語がよくわからないというようなこともございますので、私どもとしては、いろいろな国の言葉に私どもの制度がわかるようなパンフレット等をつくりまして、公的保険に資格のある人はぜひ入っていただくという道をできるだけ周知徹底、あるいは指導等を重ねながら図ってまいりたいと思っております。

○大畠分科員
 そういう正式な手続で入ってくる人はいいのですよ。ところが、前に福島県かなんかでダンサーの方が非常にトラフって、大変な国際問題になりましたね。そういうことからはかっても、やはり飛行場でそういう英文、いろいろな言葉に変えたパンフレットをとにかく渡す。正式な旅行者だか何だかわかりませんから、必ず飛行場で手続をとって入るわけですから、その入り口で全部そういう指導をするということがあれば抜けがない。あるいは人権問題から国際問題にまで発展する、そういう可能性もありますので、ぜひ今おっしゃったように、いろいろを言葉でちゃんと日本の医療制度についてわかるようなパンフレットをつくって渡していただきたいと思うのですが、どうですか。

○黒木政府委員
 先ほど申しましたように、職場であるいは市町村の役場の窓口で加入の手続等がとられるわけでありますから、そこでPRをするあるいは周知徹底する形をとっておりますけれども、空港であらゆる外国人が入ってこられる場合に、どういう形でPRなり、我が国の公的保険制度がどうなっているかという説明なり、PR仕様がどういうふうに整えられ、それがどういうふうに外国人と見て渡すことが可能か等々を含めまして、いろいろな問題があると思いますので、これは勉強させていただきたいという答弁で御勘弁いただきたいと思います。


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