126回-衆-地方行政委員会-11号 1993/04/15

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伊原説明員/厚生省健康政策局総務課長 伊原 正躬君
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○小林(守)委員
 それで、私の方から一つお聞きしたいのは、不法滞在の外国人の未払い医療費の問題について、私も毎回ぐらいにこの委員会の中で取り上げてきているのですけれども、実は御承知のように、新聞報道で知っているのですが、神奈川県や群馬県では新たな取り組みというか、新たな展開が出てきたというふうに言えると思うのですね。これはあくまでもやむを得ず立てかえ払い的なやり方なんだというふうに聞いておりますけれども、これは国が早急に何らかの対策を講じるまでという措置なんだという形で、自治体も大変苦慮して対策をとってきているわけなんですね。確かに、理論的、法的に難しいし、整合性というのをどうつくっていくか、人道上の問題だとはいいながらも、やはり問題はあるのだろうというふうに思います。そういうことで、自治体では、医療機関が診療拒否をしないでくれ、これはまた法律的にできないわけでありますから、そういう実態も含めて苦慮に苦慮を重ねて、例えば国際交流協会で見ていくとかいろいろなやり方が最近自治体で出てきております。
 これらについて前回、前々回も含めまして、今関係省庁で検討、勉強会を進めているのだというようなことを御答弁いただいておりますが、今このような自治体の状況も受けて検討状況はどのようになっているのか。それから、このような地方団体における新たな展開、取り組みの状況についてどう把握しているのか。どう評価するかということになるとやぶ蛇になろうかと思いますので、どう把握しているのか、厚生省の方にお聞きしたいと思います。

○伊原説明員
 お答えを申し上げます。
 昨年、先生から不法滞在の外国人の医療費につきまして御質問を賜りましたが、非常に難しい問題であるということを御答弁させていただいたわけでございます。
 ただいま先生の方から御指摘のございましたように、一部の自治体、群馬県、神奈川県におきまして立てかえ払いということを平成五年から実施する、そして医療機関に対してこれに係る助成を行う事業が開始されるというふうに聞いておりますが、現在、各県におきまして実施方法等の細部については実施要綱等の作成というふうなことで検討中であると聞いておりまして、私どもで細部については把握はしておりません。
 一方、国の方でこれについてどう対応するかということで、これも昨年の御指摘に基づきまして関係省庁の間で連絡会議を持ちまして、本年一月にもその会議が開かれましてこれについての考え方を出しておりますが、非常に困難な問題があるが、何らかの対策が講ぜられないか引き続き検討を重ねていくということになっております。この問題につきましては、昨年もお答え申し上げたところでございますけれども、不法滞在ということに絡む問題でございますので非常に難しい問題がございまして、引き続き鋭意検討させていただきたい、こういう状況でございます。

○小林(守)委員
 今回の答弁では「鋭意」という言葉が入りましたので、少し期待をしたいというふうに思います。


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