132回-衆-予算委員会第四分科会-01号 1995/02/20

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○太田(義)政府委員/厚生大臣官房総務審議官 太田 義武君
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○大畠分科員
 非常に細かな問題ですが、私はそういうことも福祉社会の中の大変重要な課題だと思いますから、ぜひこれからもさらに御努力をお願いしたいと思います。ありがとうございました。
 次に、外国人の医療制度問題について、残りの時間、お話をお伺いさせていただきたいと思います。
 外国人の医療制度問題については、現在いろいろと改善が進んできていると思いますが、非合法の入国の方、あるいは合法的に入国された方、いろいろなケースがございます。
 幾つかのことについてお伺いしようと思いましたけれども、時間がございませんので、非合法でも合法的にでも、病気をした場合に病院に駆け込む。そうすると医療機関の方では、その病院の方は、非合法であれ合法であれ、診察をしなければならない、そういう実態にあるわけですね。その病院の方では、今度は医療費を取れなくて非常に困るというケースが現在でも各所で起こっているのじゃないかと思うのです。
 この問題は医療問題だけじゃなくて人権問題とも絡んできているのだと思いますので、そのはざまで非常に苦労している医療関係、お医者さん関係に対して、今厚生省はどういう援護措置をとろうとしているのか、お伺いしたいと思います。

○太田(義)政府委員
 委員御指摘のように、我が国に合法的におられる外国人の方と、それから非合法といいますか不法に滞在しておる方とおられるわけですが、適法に滞在しておられる外国の方につきましては、内外人平等の原則というのがございまして、それに基づきまして医療保険制度が適用になっておりまして、またそれに基づいて医療が受けられるということになっております。
 いわゆる不法に滞在しておられる外国人の方につきましては、今先生御指摘のような問題がありますし、医療費の未払いの問題が生じてきているという認識も私ども常に持っております。
 実は、この問題につきましては、一つは入国管理政策との関係がございます。どういうことかといいますと、例えば入管法六十二条では、そういう退去強制に当たるような方々を発見した場合には通報しなければいかぬという義務が明確に課さ
れております。さらに、そういう方でもいいのだということになりますと、医療目的のために、非合法といいますか不法に入国してくる方をどうするかという問題もございます。
 さらに考えますと、実は未収金の問題といいますのは、不法に滞在している方だけではなくて、日本人の方でも、あるいは合法的に滞在している外国の方でも同じ問題が生じてくるわけでございますので、この点からいうと、公平性の問題でどういうふうに考えるか、いろいろと問題がございます。
 そういうことから、さまざまな視点から多面的な検討が我々は必要じゃないかということを考えておりまして、昨年の十一月に、加藤一郎元東大総長、合成城学園長の加藤先生を座長といたします外国人に係る医療に関する懇談会というものを開催しておりまして、現在検討を行っております。この検討は本年六月ごろを目途に検討結果を取りまとめていただきたいと思っておりますので、その検討結果を待って、また対応していきたい、こういうふうに考えております。

○大畠分科員
 時間が参りましたので終わりますが、この問題もやはりいろいろな関係があって、日本に来ている方がよい印象を持って国に帰っていただくということもありますし、人権問題でもありますし、いろいろ複雑な問題が絡んでおりますので、ぜひ今の諮問機関等で十分検討をしていただいて、適切な、現実的な対処をしていただけますよう要望をします。
 あと、高齢化の介護の機器の問題について質問をしようと思いましたけれども、これはまた別の機会にさせていただきたいと思います。大変ありがとうございました。


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