147回-衆-予算委員会第二分科会-01号 2000/02/25

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臼井国務大臣/法務大臣 臼井日出男君
山本(有)政務次官/法務政務次官 山本 有二君
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○中川(正)分科員
 その政策は前から日本としての意思表示を聞かせていただいているんですが、それは、この現実を見ているとそう言い切れなくなってきますよということだと思うんです。それは認識もいただいておるだろうと思うんですが。
 一つだけ具体的に約束をしていただきたいんですが、そういう状況の中で、これは厚生省の関係なんですけれども、特に医療ですね、本来は社会保険を使って医療の保障をしていくという日本のシステム、これは外国人にもとられていますよということなんですが、現実問題としてはそれに入っていない人がほとんどということですね。そうすると、これは地方自治体の方へ行って、国民健康保険でやらせてくだいよということになると、厚生省は、建前からいったら、これは就労しているわけだから社会保険じゃないといけないよ、こういうことになって、やはり無保険者が問題化している。それが病院へ行って診療拒否を受けている。こういう制度の矛盾と、それからこの問題そのものの持っている体質で、さらに悲惨な状況というのが現実にあるわけです。
 これに対して法務省の方も、ひとつ何とかしろよと、厚生省に対して、あるいは地方自治体に対して問題意識を喚起していただいて解決をしていく、現実にセーフティーネットとして何かつくり上げていくというふうなことをやりますよという約束だけはちょっとしてください。

○臼井国務大臣
 今お話しの部分につきましては、他省庁のことでもございますし、ここで私が答えるべきものでもないと思いますけれども、御認識のことは承りました。

○中川(正)分科員
 他省庁といっても、これはやはり基本は、問題の出発は入国管理から来ているわけです。だから、ほっておくわけにはいかない。これはもう大臣の所掌ですよ。そこのところを、そうですねという形でもう一回。

○山本(有)政務次官
 実は、先生のたゆまざるこういう御指摘に対しまして、内閣官房副長官の方から内閣として御下命を現在受けておりまして、特に、そういう無保険者、さらに介護におけるマンパワーの問題等、これを長期的に研究しろという御下命を受けておりまして、数回にわたりまして、これから厚生省の政務次官と私とで話し合いを持たせていただくということになっておりまして、先生の御指摘のこの問題についても、両省で責任を持って研究、検討をさせていただくようにいたしますので、よろしくお願いします。

○中川(正)分科員
 さらに一つだけ気をつけていただきたい事項があるとすれば、この前の厚生政務次官からの答弁の中に、そうした無保険者が病院に行って、それで診療を受けたときに踏み倒した場合、この場合には、それを措置するための補助金を流していますよという答弁がありました。これは一つだと思うんですが、それですべてを解決するということじゃだめだと思うんですね。それは、実際のところはセーフティーネットになっていないんです。本来はもっと深いところに根があるわけでありまして、さっきの長期的なという話じゃなくて、今どうするか、今それぞれの自治体にどういう指示を与えていくか。
 基本的には、まずは国保について、外国人の場合、そういうケースの場合には特別に使わせる、国保でもいいんだ、こういうことで踏み切ってほしいということがまず一番近い道筋だろうと思うんですよ。そういうことをぜひやっていただきたいと思うんです。

○山本(有)政務次官
 厚生政務次官と協議しつつ、先生の意をしっかり踏まえてこの研究に当たりたいと思っています。


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