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最初の声明
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「STOP!メール通報」連絡会の共同声明
ホームページによる情報提供の受付の中止を求める兵庫県と神戸市の要望
▼兵庫県
不法滞在等の外国人に関する情報の
ホームページでの受付に対する要望
このたび、貴省のホームページにおいて、不法滞在等の外国人に関する情報提供の受付を始められましたが、これに対して、県内の多くの外国人団体から、外国人に対する差別を助長する恐れがあるとの不安が寄せられています。
兵庫県内には、昨年末現在、約10万3千人の外国人が居住しており、本県では、これまでから、外国人も日本人と同じ「県民」であるとの認識に立って、すべての人が相互に異なる文化や生活習慣、価値観を尊重し、各人が自己を生かすことのできる多文化共生社会の実現を目指しています。
平成7年の阪神・淡路大震災の際には、この地において外国人も日本人も共に助け合う姿が国内外から高く評価されたところです。
こうした中で、政府機関が外国人だけを対象にホームページ上で情報の提供を受け付けることは、外国人団体が危惧しているとおり、日本に住む外国人のうち、犯罪を犯す者はごく一部であるにもかかわらず、すべての外国人が犯罪者であるかのような誤解や偏見を国民の中に助長する恐れがあります。
不法滞在の外国人に対し厳格に対応するという趣旨は理解できますが、外国人のこのような危惧や不安について十分にご理解をいただき、地球時代を迎えた日本として、内外人の平等や外国人の人権保護という観点から、外国人を監視することを奨励するかのような貴省ホームページによる情報提供の受付の中止をお願いします。
平成16年4月
法務大臣 野沢 太三 様
兵庫県知事 井戸 敏三 (公印)
▼神戸市
法務大臣 野沢 太三 様
不法滞在等外国人に関する電子メールでの情報受付に対する要望
神戸市では、日本人と外国人がお互いに文化・生活習慣の違いを理解し、民族・国籍の違いを認めながら人格を尊重し、ともに生きる地域社会の実現をめざして積極的な取組みを進めているところです。
このたび、貴省入国管理局のホームページにおいて不法滞在等と思料される外国人の電子メールによる通報制度を開始されました。しかし、不法滞在者対策の強化の必要性はもとより理解できますが、電子メールによる通報は従来の通報手段よりはるかに容易に行うことが可能であり、加えて匿名での通報が認められていることを勘案すると、本来の目的と異なり適法に滞在する外国人を含む外国人全般へのいわれなき誹 謗・中傷の手段として使用され、外国人に対する誤解や偏見を助長することも懸念されるところです。
国におかれては、こうしたホームページでの電子メールによる通報の特性を考慮され、電子メールによる不法滞在外国人通報制度が、外国人に対する偏見・差別を助長することのないよう、今後とも外国人の人権保護に十分配慮した適切な運用を行われるよう要望いたします。
平成16年4月14日
神戸市長 矢田 立郎