2 我が国の外国人の受入れの考え方
(1)外国人労働者問題について
○ 外国人労働者の受入問題については、これまで各方面で議論が行われてきた。
政府においては、昭和63年12月の「外国人労働者問題関係省庁連絡会議中間取りまとめ」等の一連の提言がなされているが、その基本的な考え方は次のように整理できる。
○ 専門的技術、技能、知識等を有する外国人の受入れは、我が国の経済社会の活性化、国際化に資するものでもあるので、受入範囲や基準を明確化しつつ、可能な限り受け入れる方向で対処することとされている。
○ 一方、いわゆる単純労働者の受入れについては、�]�働市場の二層化のおそれ、��外国人労働者の失業問題及び国内雇用情勢の悪化のおそれ、��産業の近代化・合理化及び産業構造の改善に対する悪影響、�ざ軌蕁⊇斬陝∧欸髻�衛生等の分野における社会的コストの負担、等の問題があると指摘されており、受入れには十分慎重に対応することとしている。
○ 経済団体や労働団体も、いわゆる単純労働者の受入れには厳格に対処すペきであるとの意見を表明している。
○ 当懇談会においては、以上のような外国人労働者に対する基本的な態度が現時点においても妥当であるという認識に立って検討を行った。
○ なお、平成5年度に、より実践的な技術、技能又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力するという観点から「外国人技能実習制度」が創設されたが、同制度による受入体制の充実・強化を図ることによって、結果的に不法滞在問題の解消にも役立つのではないかという意見もあった。なお本制度の窓口となっている(財)国際研修協力機構(JITCO)において、研修期間中の障害、疾病等を対象とする「外国人研修生総合保険」が用意されている。
(2)不法滞在問題について
○ 不法滞在外国人が増加している背景には、我が国における事情、労働力送り出し国の事情、入国管理政策や産業界における事情など、様々な要因がある。
○ 我が国における海外からの労働力の流入要因としては、近年の景気拡大局面において労働力の不足状況が続いたこと、さらに、労働力の送り出し国に比べてきわめて高い貸金水準や、いわゆる3K労働を敬遠する日本人の職業選好などの事情があげられる。
○ 労働力の送り出し国における我が国への労働力の流出要因としては、雇用機会の不足による労働力供給の過剰と失業、我が国に比べて相対的に低い貸金水準、経済的な豊かさを求めて国外に働きに出る者の増加などの事情があげられる。
○ 我が国の入国管理制度においては、いわゆる単純労働者は受け入れないという方針を採っており、平成元年12月の入管法の改正においても在留資格の整備等が行われた。しかしながら、ブローカーの介在、パスポートの偽造など悪質・巧妙な手口が増え、上陸審査業務の適正な遂行に重大な支障をきたしているほか、在留期限が切れた者の追跡は事実上困難であるなどの事情により、実態として現在の入国管理当局の体制では十分な対応ができていない。
○ また、いわゆる単純労働力は受け入れないことになっているにもかかわらず、実際上、安く雇える等の理由により、外国人を単純労働力として受け入れている産業分野や事業所が存在している。
ちなみに、入管当局によって摘発され、退去強制となった不法就労者の就労状況をみると、男性は建設作業員、女性はホステスがそれぞれ4割近くを占めている。
○ 不法滞在問題については、政府、経済団体、労働団体が様々な提言を行っているが、いずれにおいても、国内労働者の労働条件の向上の障害、低貸金労働市場の固定化、産業の近代化・合理化の遅延、犯罪の発生など、様々な社会問題を引き起こすことが指摘されている。入国管理政策における厳正な方針・措置により、水際での入国の阻止、あるいは取締りの強化による不法滞在者の定着化の防止を一層徹底する必要がある。
平成5年において入管当局によって退去強制となった者は、約7万人となっている。
○ 不法滞在問題は、入国管理政策のみならず、労働政策や企業側の受入姿勢の在り方が関係する側面も大きく、雇用主自身が不法就労をさせないという自覚に立つことが基本であり、不当な利益を上げている仲介業者や雇用主に対する行政指導や取締りの徹底を図ることが必要である。
平成元年12月の入管法の改正により、不法就労活動をさせた雇用主に対する「不法就労助長罪」が創設されている。
○ なお、欧米諸国においては、近年、景気の低迷や、外国人労働力の受入れに伴う様々な社会問題が深刻化するなどの事情により、労働許可の要件の強化、帰国奨励制度の創設、不法就労活動をさせた雇用主への罰則の強化など、外国人労働者の受入れに対する規制強化の動きがみられる。
3 外国人に係る医療の現状と対応の方向
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