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■地熱発電
目次 0.環境保護区での開発 1.アポ山地熱発電 2.日本のODA/ BOT 3.JICAのスタディ 4.ジェトロを通じてのスタディ 5.その他 6.世界銀行

0.環境保護区での開発
「アジアの環境重大ニュース」 地球環境戦略研究機関(IGES)

2005年アジアの環境重大ニュース フィリピン

3. 保護区がエネルギー資源の探査地に

 環境天然資源省(DENR)は最近、政府と民間企業によって着手されたエネルギー開発プロジェクト15件のうち、9件が景観保護区や海景保護区、その他の保護区にあることを明らかにした。環境天然資源省の保護地区野生生物局(PAWB)の報告によれば、ルソン、ビサヤス、ミンダナオの保護区でエネルギーの探査活動が進行しており、これらの地域は石油やガス、地熱エネルギーの供給地域としての可能性を擁しているという。

 地熱発電の開発地として提案されている場所は、ダバオのアポ山、ネグロス・オクシデンタルのカンラオン山、ネグロス・オクシデンタルのバリンササヤオ・ツイン・レークス国立公園、レイテのマハグナオ火山自然公園などの保護区にある。アポ山では、すでに710ヘクタールの土地がエネルギープロジェクトのために割り当てられている。

 アクラン川流域森林保護区内では、水力発電プロジェクトが提案されていることが、保護地区野生生物局(PAWB)のムンディタ・リム事務局長の記者会見で明らかになった。リム事務局長によれば、パンガシナ州のサンロケにある保護区でも、水力発電プロジェクトが現在進行中とのことである。

出所:「Philippine Daily Inquire」(2005年9月3日)
▲このように、多くのエネルギー事業(地熱発電を含む)は、本来、環境が保護されるべき地域で、開発が進められている。事業に対して、先住民族や環境保護団体の反対運動が起こっている。にもかかわらず、事業には、日本企業や日本のODA等が関わっている。

1.アポ山地熱発電
A. 反対運動
神々をも殺すのか:アポ山地熱発電所建設問題  キリスト新聞社, 1993.2. -- (日本の海外援助を問う ; 1(フィリピン))  富坂キリスト教センター (201005updateリンク切れ修正)

臼杵みどり アポ山地熱発電所とルマド アジア通信128(1995/01、02)7‐8 キリスト教アジア資料センター
B. その他の文献
開発プロジェクトに対する住民反対運動への理解--マウントアポの事例  リー エスペランザ カストロ  地熱 38(1), (164) 85〜87 ,2001/3
C. 企業/丸紅 (BOTは、2009年まで?)
アニュアルレポート 2001 12-13ページ
フィリピン・ミンダナオ地熱発電所を買収、安定した電力供給に貢献

 当社投資案件である、フィリピン・ミンダナオ島アポ山におけるミンダナオ地熱. 発電所1、2号機BOTプロジェクトは、1997年(1号機、47メガワット)、1999年(2号機、48メガワット)にそれぞれ完工して以来、極めて高い稼働率を達成し、順調に運転していますが、当社は2000年6月にその事業権益の50%をパートナーであった米国Oxbow Power社より買収し、最終的に100%傘下に収めました。
 今回の買収により当社は、本発電所を100%所有するとともに、その運転・保守も含めた発電事業会社の運営すべてを行うこととなりました。この買収に先立ち、発電所の運転・保守専門の子会社Marubeni Energy Services社を設立、約70名の熟練した技術スタッフを雇用し、運転・保守に対し万全の体制を整えています。同社の管理の下、両発電所は買収以降も極めて高い稼働率で安定した操業を続けており、当社の収益に貢献するとともに、ミンダナオ島での安定した電力供給にも貢献しています。
 当社は、今後このような優良案件のM. &. Aをアジア・パシフィック地域を中心に推進していく予定です。
Marubeni Energy Services Corporation フィリピンの地熱発電プロジェクト(ミンダナオ1号機および2号機) の保守、運転
Mindanao I Geothermal Partnershipフィリピン・ミンダナオ島における地熱発電事業
Mindanao II Geothermal Partnership フィリピン・ミンダナオ島における地熱発電事業

Mindanao I & II フィリピン
Marubeni Energy Services Corporation (MESC) (英語)
日刊まにら新聞 2009年2月23日
日系企業表彰  キダパワン市はこのほど、日系の丸紅エネルギーサービス社の貢献を評価、表彰し
Kidapawan honors Japanese firm behind geothermal plants (MindaNews/11 Feb)
2009年6月19日 <EDCがミンダナオ地熱発電所2基を完全取得> 丸紅とEDCの専門家による効率性向上期待
D. その他 現地の動き
Lumads back geothermal expansion project in N. Cotabato Sunday, November 09, 2008

Court orders PNOC to explain Apo drillings Monday, November 26, 2007
North Cotabato protests drilling at Mt. Apo Thursday, November 22, 2007

Geothermal sites declared as special economic zones Tuesday, September 11, 2007

Guv seeks removal of expert in Mt. Apo arsenic probe Tuesday, February 24, 2004
High levels of arsenic found in Mt. Apo anew Saturday, September 13, 2003
E. その他
Mindanao Geothermal Production Field (MGPF)
(Energy Development Corporation)
Executive Order 661
Sept 10, 2007
Directing the local government units in areas near or adjacent to geothermal-producing sites in Albay, Laguna, Leyte, Negros Oriental, Sorsogon and Albay, North Cotabato, and Negros occidental to develop economic Zones
2.日本のODA / BOT案件
A. 地熱関連 案件一覧
案件名契約借款日借款金額 本体
部分
金利
本体
部分
償還
期間
(年)
本体
部分
据置
期間
(年)
本体部分
調達条件
コン
サル
部分
金利
コン
サル
部分
償還
期間
(年)
コン
サル
部分
据置
期間
(年)
コンサル部分
調達条件
事業実施者名
トンゴナン地熱発電所建設事業 1980/6/20 1880033010一般アンタイド 33010一般アンタイド国家電力公社、運輸通信省
南ネグロス地熱発電事業1981/6/161080033010 一般アンタイド33010一般アンタイド石油公団、エネルギー開発公社
トンゴナン地熱発電事業(2) 1983/9/9 1637033010一般アンタイド 33010部分アンタイド国家電力公社、フィリピン石油公団
パリンピノン地熱発電所建設事業(II) 1989/5/26 63002.730 10一般アンタイド 2.73010部分アンタイド 国家電力公社
パリンピノン地熱発電所建設事業(II-2)1993/1/2936533 3010一般アンタイド 3 3010一般アンタイド国家電力公社/石油公団/エネルギー開発
ティウイ地熱発電所改修事業 1994/12/77056 33010一般アンタイド 33010一般アンタイド国家電力公社
マクバン地熱発電所改修事業 1994/12/76630330 10一般アンタイド330 10一般アンタイド国家電力公社
ラボ地熱発電所事業(I) 1994/12/2010756330 10一般アンタイド3 3010一般アンタイド石油公団エネルギー開発公社
北ネグロス地熱開発事業 1997/3/18 144602.73010 一般アンタイド2.33010一般アンタイド 石油公団/エネルギー開発公社
B. 案件と資料
年プロジェクト(単位:億円)備考
1980年 第8次円借款 (360.00)
 トンゴナン地熱発電所建設事業(86)(92) (188.00)

Tongonan Geothermal Power Plant Construction Project
セクター別レビュー報告書  電力セクター 2003年1月

17ページ
F/S の質が低いため、事業実施に際してスコープの大幅変更、工期・事業費の増大を招いているケース。フィリピン「トンゴナン地熱発電所建設事業」では、送電線の当初計画の熟度が低かったため、ルート変更、一部ルートの建設取りやめなどの大幅な変更となっているとともに、内貨不足などにより工事が遅れ、L/A 期限内に完成できなかったので2 年間のL/A 延長が行われた。
また、フィリピン「パリンピノン地熱発電所建設事業(II)(II−2)」では、海底ケーブルのルートについては、NPC による当時のF/S を見ると、海底の地形および海流についてのコメントおよび情報の記述は見当たらず、単純に距離的近さのみで選定されたものと考えられると 報告されている。結果として、事業開始後のコンサルティング・サービスで行われた詳細調査でルートの大幅変更となり、追加融資要請がなされるに至ったことからして、NPC 策定の事業範囲は不充分であったと言える。同様に、発電プラント建設においても、設置場所の変更により工期の遅延、事業費の増加が生じており、建設予定地の初期調査をより慎重に行うべきであったと指摘されている。

20ページ
相手国政府が用意すべき内貨予算が不足したために、借款期限までに予定の工事が終わらないケース。フィリピン「トンゴナン地熱発電所建設事業」では、建設主体をめぐる2 つの実施機関間の調整の遅れに加え、国内経済悪化による内貨資金不足のため、評価時点で送電線工事が1 区間完成したのみですべて工事中となっていた。

32ページ
全事業の3 割弱において、運営維持管理体制について何らかの懸念あるいは問題点が指摘されている。その他の事業については、コンサルタント、コントラクター/サプライヤーによる技術指導の成果もあり、運営維持管理体制が適切であることが確認されているか、特に問題は報告さ れていない。
指摘された問題の殆どは、事故・故障の未然防止と復旧のための管理体制と技術力が不充分で、電力供給の信頼度が十分に確保できていないことである。例えば、フィリピン「トンゴナン地熱発電所建設事業」では、スペアパーツ不足、誤操作、所内電源回線故障、送電線事故などのトラブルが相次いで発生しており、十分な事業効果の発現を妨げていた。


フィリピンの電力自由化の構造 野沢勝美(アジア研究所紀要第30号) 161ページ(166)

「地熱の発電コストをみると、(中略)1997年のPNOC-EDCのトンゴナン発電所の発電コストは、2.59ペソ/kWhとNPCの平均発電コスト1.16ペソ/KWhを上回っている(表7)。PNOC-EDC契約はNPC電力料金を押し上げる役割を果たした。
参考文献 築地書館
● 環境の経済評価テクニック アジアにおけるケーススタディ 1993年9月発行
第5章・フィリピン、レイテ島のトンゴナン地熱発電所プロジ ェクト

● 新・環境はいくらか 1998年10月発行 (初版91年)
第2部・ケース・スタディ  フィリピン・レイテ島のTongonan地熱発電所

(環境経済政策学特講 フィリピン、レイテ島のトンゴナン地熱発電所プロジェクト )

▲この本のせいで、環境対策が検討された良いプロジェクトの見本みたいな認識が生み出されているようだが、実態がそうではないことは、後に出されたJICAの報告書等の中で「F/S の質が低いため」と言わざるをえなかったり、「発電所環境測定機器整備事業」でトンゴナンにも硫化水素濃度を測定する機器を設置したり…で想像できるはずだが、そこまで読む人は少ない。
水牛家族の報告を読めば、決して環境対策が充分に取られたプロジェクトではないことがわかるのだが…。
Leyte Geothermal Production Field (LGPF)
(Energy Development Corporation)


水牛家族
73号(2009年4月10日)「トンゴナンの空は泣いていた」(残念ながらインターネットでは読めません)
74号(2009年9月25日)オルモック物語26 
ODAで得をするのはだれ?
76号(2010年4月31日)オルモック物語26  <対話>から始めよう 破壊が進んだ環境の再生をめざして

(update 201005)
1981年 第9次円借款 (420.00)
 南ネグロス地熱発電所(90) (108.00)

Southern Negros Geothermal Development Project
(何で英語に、Development が入ってるんだろ? Development があると検索にヒットするのはこのサイトだけ)
(インターネット検索では、日本語では何も出てこない? 基本的には、パリンピノン地熱発電所建設計画(II)の前、つまりパリンピノン地熱発電所(�機砲箸いΔ海函�

Southern Negros Geothermal Production Field (SNGPF)
(Energy Development Corporation)


「ネグロス 嘆きの島」「第7章:丸紅とマリカルム銅鉱山公害」「第8章:ODAとオイスカ−水野誘拐事件」で、このプロジェクトは公害を引き起こしている丸紅の鉱山への電力供給を目的としたものであったと。

(update 201005)
1983年 第11次円借款 (554.50)
 レイテ地熱発電(II) (163.70)

Leyte Geothermal Development Project II
JICAの円借款案件検索サイトで調べてみると、「トンゴナン地熱発電事業(2)」とされている
国会でも
[003/003] 102 - 衆 - 予算委員会 - 17号 昭和60年02月23日 342

○藤田(公)政府委員 ただいま御質問の地熱発電所でござい ますけれども、ただいま御質問の地熱発電所でございますけれ ども、レイテにおきましてトンゴナンという地熱発電所の計画 がございます。
 総事業費は三百七十四億円程度でございますが、このトンゴ ナン地熱発電所に対しましては、二回にわたりまして円借款の 供与を行っております。初めは五十五年に交換公文を締結いた しました第八次円借款の一つとして百八十八億円を供与いたし ております。それから二回目は、五十八年に供与いたしました 第十一次円借款の一部としまして百六十三・七億円の供与を行 っております。
▲マルコス時代のプロジェクト、マルコス疑惑との関係、未チェック
1988年 第15次円借款 (885.61)
 パリンピノン地熱発電所建設計画(II) (63.00)

Palinpinon II Geothermal Project (2)
円借款の事業評価 事後評価 1998年度
パリンピノン地熱発電所建設事業(II)、(II-2) (43ページあるうちの最初の27ページ。 その後は「研究レポート フィリピンにおける公企業の財務的 特徴」)
経済協力評価報告書 1999年 総論  OECFによる事後評価によると、
フィリピン:「パリンピノン地熱発電所建設事業(II)、(II-2 )」

 本事業は、ネグロス島南部の既設のパリンピノン地熱発電所 に、新たに22本の蒸気井(生産井・還元井)を掘削・開発し、80MW (20MW×4基)の発電能力拡張を行うものである。あわせて、 ネグロス島からセブ島への送電線(架空送電線および海底ケー ブル約18km)の建設も行う。なお、本事業は世界銀行とOECFと の協調融資案件である。OECFの融資対象は蒸気井および送電線 であり、発電プラントの建設は世界銀行の融資で行われた。  事業実施に当たっては、世界銀行の融資対象である発電プラ ントの位置の変更などのため、完成が遅れ、費用も増加した。 しかし、事業完成により、計画どおり80MWの新たな電力が供給 され、電力供給の安定化および産業振興と民生の向上に寄与し ている。また、地熱という国産エネルギーを使用した発電のた め、輸入石油による火力発電に比べ、96年度で16.6百万ドル相 当の原油輸入の節減に貢献したことになる。
世銀はどこを見れば良いのか?
20 MW Palinpinon II Geothermal Optimization Projectというのはあったが?
フェリス女子大学 横山ゼミの訪問報告 フィリピン2002 で訪問されている
第2回エクスポージャーに報告が出ている☆PNOC☆イトウアヤ
平井朗さんの修士論文 3-1-1 2002年度エクスポージャーの概要
1992年 第18次円借款(II) (97.65)
 パリンピノン地熱発電所建設計画(II)(追加融資) (36.53)

Palinpinon II Geothermal Project (2)
1994年 第19次(含18次)円借款 (1,128.05)
 ティウィ地熱発電所改修計画 (70.56)
 マクバン地熱発電所改修計画 (66.30)
 ラボ地熱発電所計画(I) (107.56)

Tiwi Geothermal Power Plant Complex Rehabilitation Project
Mak-Ban Geothermal Power Plant Complex Rehabilitation Project
Mt. Labo Geothermal Project (Phase I)
着工が遅延
平成17年度外務省政策評価書[政策ごとの評価(評価シート)版] の
政府開発援助に係る未着手・未了案件(PDF)
の2ページ目/ティウィ地熱発電所改修計画[フィリピン]と3ページ目/マクバン地熱発電所改修計画に

経緯・現状  電力部門改革法の制定(2001年)によるフィリピン政府の方針の再検討により着工が遅延したが、その後工事はほぼ完了している。
基本的に同じ内容、総務省
事後評価の実施状況一覧(政策決定後10年を経過した時点で未 了の有償資金協力)
企業など
●コンサルなど
ティウィ地熱発電所およびマクバン地熱発電所改修プロジェク ト(55 MW x 8)
西日本技術開発株式会社

●ティウィ
フィリピン大型地熱発電所改修追加プロジェクト受注の件
丸紅株式会社 2004年6月7日

●マクバン
三菱重工 ニュース 2005年11月 発行
改造工事でフィリピン社会に貢献 マクバン地熱発電所 1号併入、2号通気

●電力民営化/アボイティス・パワー
フィリピン 2009年6月4日(木曜日)
電力事業を積極拡大、アボイティス会長に聞く[経済] NNA
ラボ
検索では出てこなかった???


 発電所環境測定機器整備計画 (4.57)

円借款案件事後評価報告書2002  発電所環境測定機器整備事業

既設火力・地熱発電所の多くは環境保護に必要な対策を講じてい ないため、これら発電所から排出される排煙が大気汚染の原因の一つと考えられていた。しかし、NPC の保有する機器は、大気質及びその他の汚染物質を測定するには不十分で、環境影響を正確に測定するというエネルギー天然資源省(DENR*1)の要求を満たすことができない状態であった。したがって、本事業目的は当時の環境政策と合致しており、妥当なものであった。

(中略)
本事業により大気中の硫化水素濃度を測定する機器6 台が、バクマン、トンゴナン、パリンピノンの各地熱発電所に導入された(各発電所に2 台)。 当初、NPC はDENR の要求を満たすため、連続タイプの測定機器を調達する予定であった。 しかし、前述したとおり、入札価格が予定価格を大幅に超過したため、非連続タイプを調達することになった。現在、調達された6 台全ての硫化水素分析機器が良好な状態にあるが、そのうち3 台のデータ自動記録装置が故障しているため、測定結果は手動で記録されている。
1996年 第21次円借款 (1,242.80)
  北ネグロス地熱開発計画 (144.60)

Northern Negros Geothermal Project
(世銀に、Northern Negros Geothermal Power Project というのがある。)

◆世銀の資料
No.
▼以下、4冊(サマリーと3分冊は、1995年1月1日)
コンサルタント契約 (2001年  資料編�機。隠横殴據璽�)
契約受注額 円換算額 (百万円)217
INSTITUTE OF GEOLOGICAL & NUCLEAR SCIENCES LIMITED(ニュージーランド)/PB POWER(NZ) LTD.(ニュージーランド)/SIGMA ENERGY TECHNOLOGIES, INC(フィリピン)/九州電力/西日本技術開発

【2004 年度本体契約】契約金額10 億円以上 (JBIC2OO5 資料編1―業務統計 113ページ)
(円換算額(百万円)7,086
兼松

フィリピン・ネグロス島における民衆のコミュニケーション
〜脱開発コミュニケーションへの可能性〜


カンラオン火山の中腹に位置するシティオ・パタアン(Sitio Pataan)は豊かな水を利用して棚田耕作を行なう静かな山村であったが、ここにPNOC(フィリピン石油公社)が日本のJBIC(国際協力銀行)の融資を受け、地熱発電所の建設を開始してから生活が一変してしまった。住民は不法占拠ではなく政府に長年地代を払って住んできた人びとであるにもかかわらず、PNOCは「国有地だから出てゆけ」と一方的に通達するのみ。しかも工事のために水源が汚染され、川には小魚一匹棲まなくなり田んぼの収量も激減した。大雨が降るとさらに土砂崩れで田んぼも破壊されたが、PNOCは住民を原住地よりも狭く、水もない低地の再定住地に強制移転させようとしている。これらに対して住民はピケなどによる工事の実力阻止やオルタナティブ・ジャーナリズムを通してのアピールを行なってきたものの、被害の詳細を立証する科学的調査は行ない得ていないのでPNOCに対して科学的根拠をもって汚染被害を主張できないでいる。住民は日本など外国のNGOが専門科学者を連れて来てくれることを強く望んでいた。これを実現できれば、まさに開発の被害を受けている人びととの市民連帯としての脱開発コミュニケーションが実践できるのである。

ここで汚染が問題になっているポラ川下流の低地で展開されてきた灌漑プロジェクトの拡張計画がまた問題になっている。これもJBICの融資案件である。地元住民によれば、本来米作中小農民への灌漑プロジェクトである筈のものが、拡張計画によって裨益するのは地元の大地主のサトウキビ畑しかないという。しかも新設予定水路にかかる集落がひとつ丸ごと移転させられることになるが、まだその移転先すら明らかにされていないとのことである。地元農民は自分たちのKMP活動、他のNGOや教会との連帯、オルタナティブ・ジャーナリズムのラジオ放送等を通じて反対の意思をアピールしてきたが、手詰まり状態に陥っているという。この農民の自力更生を助ける脱開発コミュニケーションとは何であろうか。



JICA図書館資料
(なぜか非公開になっている。こうした扱いは、この事業には、公にできない事柄があるに違いない、と思わせる。 案件形成促進調査(SAPROF)の報告書類は公開されていないのかもしれないが、そうした扱いはやめるべきではないだろうか。)

フィリピン「北ネグロス地熱発電事業」に係る案件形成促進調査 : 最終報告書 (要約).
-- [海外経済協力基金開発企画部] : 海外経済協力基金, 1995. 非公開 JICA館
Final report on Special Assistance for Project Formation (SAPROF) for Northern Negros geothermal project in the Philippines.
-- [海外経済協力基金開発企画部] : SAPROF Team for The Overseas Economic Cooperation Fund, Japan (OECF), 1995. 非公開 JICA館
Executive summary on Special Assistance for Project Formation (SAPROF) for Norhern Negros geothermal project in the Philippines.
-- [海外経済協力基金開発企画部] : The Overseas Economic Cooperation Fund, Japan (OECF), 1995. 非公開 JICA館
OECF としても生産井・還元井の掘削に関して、これら技術的な事前調査の重要性を認識し、「北ネグロス地熱発電事業」において 1995 年 12 月に SAPROF を実施し、PNOC-EDC の F/S の補完を行なうとともに、PNOC-EDC に対して最新の熱資源探査技術の移転を図っている。)
(円借款の事業評価 事後評価 1998年度
パリンピノン地熱発電所建設事業(II)、(II-2) の356ページ)
富士時報 2008年1月 第1号の「発電プラント」(14ページ)
フィリピン・PNOC−EDC 北ネグロス地熱発電所の営業運転開始

 フィリピン石油公社−エネルギー開発会社(PNOC - EDC)がネグロス島北部のカンラオン山中に建設した北ネグロス地熱発電所が 2007 年 2 月 2 日に開所式を行い営業運転を開始した。この発電所の工事は,兼松株式会社が受けたフルターンキー契約の下,富士電機がすべての機器供給と試運転を担当し,また,太平電業株式会社が土建工事および機器据付け工事を担当して進められた。この設備は富士電機がフィリピンに建設した 13 台目の地熱発電設備である。
 発電所の送電出力は 44 MW であり,近隣の配電会社 4社と直接売電契約を結ぶフィリピン初のマーチャントプラントである。開所式には大統領も出席し,フィリピンの地熱発電に寄せる期待の大きさを示すものであった。
Northern Negros Geothermal Production Field (NNGPF)
(Energy Development Corporation)
Northern Negros Geothermal PNOC-EDC SIGNS CARBON FINANCE DEAL WITH. THE WORLD BANK FOR THE. NORTHERN NEGROS GEOTHERMAL POWER PROJECT

http://www.yokogawa.com/iab/suc/power/iab-suc-pnocedc-en.htm
【フィリピン】北ネグロス地熱発電所、稼働を一時停止[公益] (2008/06/02)
【フィリピン】石油公社子会社、CDMで世銀と合意[公益] (2007/02/19)
【フィリピン】北ネグロス地熱発電所、正式に稼働[公益] (2007/02/05)
【フィリピン】北ネグロス地熱開発、兼松の落札決定[基盤] (2005/02/02)
【フィリピン】西日本技術開発、北ネグロス地熱発電所の調査コンサルタントに (2000/12/29)
(他にも検索にヒットしたが、北ネグロスとの関係が見出しだけでは分からないものは挙げていない)
▼現地紙では、住民の反対運動を伝えている
Bu-lat-lat

July 20-26, 2008
Energy Firm to Start Exploration in Mt. Kanlaon; Negrenses Face Great Risks

September 29 - October 5, 2002
PNOC Replies By Leonardo M. Ote, Environment and External Relations Manager, PNOC-EDC
September 29 - October 5, 2002
Rejoinder to PNOC
September 29 - October 5, 2002
Negros Farmers Stand by Story, Bare More Harrowing Facts of PNOC Project
September 29 - October 5, 2002
Ex-Cafgu Finds A New Cause
September 22 - 28, 2002
PNOC Project Endangers Mt. Kanlaon; Will Displace Thousands
September 22-28, 2002
PHOTO OF THE WEEK:DRILLING SITE NO. 10

abs-cbn newsから
Activists face raps for Negros 'protest climb' 05/11/2009
Negros environmentalists sing carols to stop tree-cutting 12/23/2008
Bishop leads prayer vigil against Kanlaon geothermal exploration 09/06/2008
Bacolod bishop calls for prayer rally vs EDC Kanlaon exploration 09/02/2008
Save Mount Kanlaon Coalition fails to get TRO on EDC project 07/25/2008
Atienza et al sued for Kanlaon geothermal project 07/11/2008
Environmental groups to file suit vs PNOC-EDC 07/08/2008
'Amomongo' frightens villagers in Negros 06/17/2008
Neg Occ Sanggunian receives memo of "annihiliation" 06/12/2008
Trekkers climb Mt. Kanlaon to protest PNOC-EDC project 06/09/2008
PNOC-EDC shuts down Negros power plant 05/30/2008
Groups against PNOC project in Kanlaon 05/26/2008
Negros Occ approves PNOC entry into Kanlaon buffer 05/22/2008
Negros Occ. to decide on Kanlaon buffer for PNOC-EDC 05/20/2008
Bacolod groups seek approval of PNOC-EDC entry to buffer zone 05/13/2008
Power crisis in Negros Occidental alarming – Gov 05/01/2008


◆地方ニュース(全国紙で取り上げられなくても、地方紙では反対運動を取り上げている)
http://www.visayandailystar.com/
http://www.negroschronicle.com/
http://www.sunstar.com.ph/bacolod

◆取り組んでいる環境団体など
http://www.geocities.com/savekanlaon/
http://greenalertnegros.blog.friendster.com/
http://profiles.friendster.com/greenalertnegros


◆下院決議案

HR00823 [History]
A RESOLUTION DIRECTING THE HOUSE COMMITTEE ON NATURAL RESOURCES TO CONDUCT AN INQUIRY IN AID OF LEGISLATION TO INVESTIGATE THE CUTTING THROUGH OF 169 HECTARES OF FOREST AREA IN MOUNT KANLAON FOR THE NORTH NEGROS GEOTHERMAL PROJECT
Status: Adopted Resolution (Pending with the committee on NATURAL RESOURCES since 2008-11-19)

HR00620 [History]
RESOLUTION URGING THE COMMITTEE ON ECOLOGY TO CONDUCT AN INQUIRY, IN AID OF LEGISLATION, INTO THE ENTRY OF THE PHILIPPINE NATIONAL OIL COMPANY-ENERGY DEVELOPMENT CORPORATION (PNOC-EDC) GEOTHERMAL PROJECT INTO THE MOUNT KANLAON NATURAL PARK THAT WILL IRREVERSIBLY DAMAGE THE REMAINING FRAGILE BIODIVERSITY OF NEGROS AND ADVERSELY IMPACT THE LIVES OF PEOPLE IN NEGROS OCCIDENTAL
Status: Adopted Resolution (Pending with the committee on ECOLOGY, ENERGY since 2008-06-11)
http://www.bayanmuna.net/n/data/files/
2000年 06月15日 フィリピン国営石油会社エネルギー開発公社発行の円建て私募債への保証の供与について
C. ODA案件の検索、一覧
円借款案件検索 (JICA)
http://www.japanoda.ph/projects.php(英語)(JICA)
http://www.neda.gov.ph/odamon/Home.htm(英語)(フィリピンNEDA)

年度別・形態別実績 国別データブック
* 1990年度までの有償資金協力及び無償資金協力実績
* 1991年〜1998年
* 1999年〜2003年
* 2003年〜2007年

D. BOT案件
Build-Operate-and-Transfer (BOT) Center Completed Projects Operational Projects

DBM Publications Year 2009
I. BOT PROJECTS
I.1. Summary List of Build-Operate-Transfer (BOT) Projects, Completed
I.2. Summary List of Build-Operate-Transfer (BOT) Projects, Ongoing

日本関係と地熱関係(BOT centerの資料より作成)
Completed Projects
Project NameProponentSchemeEstimated Project Cost
in US$ Million
Iligan City Diesel Plant IALSONS/Tomen (Phils./Japan) BOT60.00
Makban Binary Geothermal PlantOrmat, Inc. (USA)BTO33.00
Iligan City Diesel Plant II ALSONS/Tomen (Phils./Japan)BOT40.00
Leyte-Luzon Geothermal Power Plant
(Leyte Geothermal Power Optimization)
California Energy (USA) BOT46.00
Limay, Bataan Combined Cycle Gas Turbine Power Plant Block AABB/Marubeni/Kawasaki (Swiss/Japan)BTO298.00
Operational Projects
Project NameProponentSchemeEstimated Project Cost in US$ Million
Limay Bataan Combined Cycle Gas Turbine Power Plant Block B ABB/Marubeni/Kawasaki (Swiss/Japan)BTO350.00
Mindanao Diesel Power BargesMitsui/BWSC (Japan/Denmark)BTO335.00
Mindanao I Geothermal Plant Oxbow/Marubeni (USA/Japan)BOT79.57
Leyte-Cebu Geothermal Power PlantCalifornia Energy (USA)BOT305.53
Zamboanga Diesel Power PlantALSON/Tomen (Phils/Japan) BOO110.00
General Santos Diesel Power PlantALSON/Tomen (Phils/Japan)BOO80.00
Mindanao II Geothermal Power PlantOxbow/Marubeni (USA/Japan)BOT72.31
Leyte-Luzon Geothermal Power Plant
(Malitbog-Manahagdong)
California Energy (USA) BOT 630.45
San Roque Multi-Purpose ProjectMarubeni/Kansia Electric Power Inc./Sithe Energies, Inc. (Japan/USA)BOT1,141.00
E. 日本輸出入銀行/国際協力銀行 (非ODA)
電力関係
2007年06月07日 フィリピン共和国/米ミラント社保有発電所買収に対するプロジェクト・ポートフォリオ型プロジェクトファイナンス及びポリティカルリスク保証〜日本企業による海外既設IPP事業の権益取得を支援〜
2007年02月23日 フィリピン共和国の電力セクター改革を支援〜進出日本企業のビジネス環境改善等を目指して〜
2005年03月16日 フィリピン/CBK発電プロジェクトに対するプロジェクトファイナンス及びポリティカルリスク保証供与〜日本企業による海外既設IPP事業の権益取得に対する初の支援〜
2004年03月26日 フィリピン国営電力公社向け輸出金融供与〜日本企業の電力プラント輸出支援〜
2003年12月11日 フィリピン国営電力公社とのアンタイドローン貸付契約調印〜電力卸売市場設立支援などによりフィリピンの電力セクター改革に貢献〜
2003年12月02日 フィリピン/ミンダナオ石炭火力発電所プロジェクトに対する融資契約調印〜ドイツ復興金融公庫との協調融資により、本邦企業支援〜
2000年11月10日 フィリピン共和国における発電事業に対するバイヤーズクレジット供与について〜プロジェクトファイナンス形式による民活インフラ事業への支援〜

サンロケ・プロジェクトなど、古いプレスは、消されてしまっている。
3.JICAのスタディ
JICAの 図書館  簡易検索

帰国研修員巡回指導 : 地熱エネルギー巡回指導班報告書 ; 昭 和53年度. -- 国際協力事業団, 1979.
フィリピン共和国地熱開発計画 事前調査報告書. -- 国際協力 事業団, 1980.
フィリピン共和国ブギアス地区地熱開発計画調査報告書 ; 第 一次 要約. -- 国際協力事業団, 1981.
フィリピン共和国ブギアス地区地熱開発計画調査報告書 ; 第 一次. -- 国際協力事業団, 1981.
フィリピン共和国地熱開発計画事前調査報告書. -- 国際協力 事業団, 1982.
フィリピン共和国マクバン地熱発電所改修計画スアル石炭火力 発電設備建設計画に関する現地調達等フィジビリティ調査報告 書. -- 日本プラント協会, 1992.
フィリピン共和国アクパン-イトゴン地区地熱開発計画調査報 告書 ; (第1次). -- 国際協力事業団, 1983.
フィリピン共和国 アクパン・イトゴン地区地熱開発計画調査 報告書 ; (第二次). -- 国際協力事業団, 1984.
フィリピン共和国 アクパン・イトゴン地区地熱開発計画調査 報告書 : (要約). -- 国際協力事業団, 1985.
フィリピン共和国 アクパン・イトゴン地区地熱開発計画調査 報告書. -- 国際協力事業団, 1985.

たぶん、ブギアス、アクバン、イトゴンは、ベンゲット州。
日本のODAは、日本プラント協会の「マクバン」だけ?。
いっぱい地熱にODAを出してるけど、誰がスタディをしたのか ?
4.ジェトロを通じてのスタディ
独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)の 地球環境・プラント活性化事業等調査(平成19年度で終了)

(経済産業省
平成10年度から平成20年度までに実施した円借款案件形成等調査及び平成15年度から平成20年度までに実施した民活インフラ案件形成等調査の公表について )

フィリピンの電力関係(●地熱)
平成18年度 地球環境・プラント活性化事業等調査
● フィリピン・マニト、カヤボン地区地熱利用地方電化事業調査
西日本技術開発株式会社  兼松株式会社
平成16年度 地球環境・プラント活性化事業等調査
フィリピン国シコポン水路式水力発電計画F/S調査 西日本技術開発株式会社  九州電力株式会社
平成15年度 地球環境・プラント活性化事業等調査
フィリピン国ティンババン水路式水力発電計画F/S調査 西日本技術開発株式会社 九州電力株式会社
ミンダナオ南スリガオ州ヌベンタ風力発電所(80MW)建設事業(143KB) 東電設計株式会社
平成14年度 地球環境・プラント活性化事業等調査
フィリピン国カツイラン水路式水力発電計画F/S調査
西日本技術開発株式会社  九州電力株式会社
平成13年度 地球環境・プラント活性化事業等調査
● 南レイテ地区カバリアン地熱発電所建設事業化調査 西日本技術開発株式会
ビンガ水力発電所リハビリテーション事業化調査(12KB) 関西電力株式会社、株式会社 ニュージェック
平成12年度 地球環境・プラント活性化事業等調査
フィリピン/アンブクラオ水力発電所のリハビリテーション計画 関西電力株式会社、株式会社 ニュージェック
フィリピン共和国パラワン島バタンバタン地点小水力発電計画F/S 調査 西日本技術開発株式会社、九州電力株式会社
平成10年度 地球環境・プラント活性化事業等調査
フィリピン国ルソン島北部における風力発電計画F/S調査
西日本技術開発株式会社
5.その他
企業

● 西日本技術開発株式会社 地熱部

● 富士時報 第68巻第10号(1995年10月)地熱発電特集
  フィリピン.パリンピノンII地熱発電所の発電設備
  フィリピン.レイテ島マリトボグ地熱発電所の発電設備
発電の設備的な話。

●電源開発
Leyte Geothermal Generation Project (PHILIPPINES)   (今はIPP Businessビジネスのリストから消えている)
ファクトブック2007(PDF 3.5MB) [PDF] の14ページ、「海外発電事業 プロジェクト一覧表(2007年6月末現在)」には載っている。ところが、
ファクトブック2008の14ページ、「海外発電事業 プロジェクト一覧表(2008年6月末現在)」には、載っていない。この間に、何のプレスも出ていない。
電源開発にとっては、最初のIPP事業だったハズだが?。
6.世界銀行
Project NameID Commitment Amount* Product Line Country/AreaStatusApproval Date
Northern Negros Geothermal Power ProjectP0985726.76 Carbon OffsetPhilippines Active16-FEB-2007
20 MW Palinpinon II Geothermal Optimization Project P0895760Carbon Offset Philippines Active 09-DEC-2005
Leyte Luzon Geothermal - PNOC - NPC ProjectP004607 227IBRD/IDAPhilippinesClosed 07-JUN-1994
LEYTE-LUZON GEOTHER. P004404 30Global Environment ProjectPhilippinesClosed 13-MAY-1994
Leyte Cebu Geothermal Project - PNOC - NPCP004584 211IBRD/IDAPhilippinesClosed 03-FEB-1994
Bacon Manito Geothermal Development ProjectP004555 100IBRD/IDA PhilippinesClosed23-JUN-1988
Geothermal Exploration ProjectP00449336IBRD/IDA PhilippinesClosed30-SEP-1982