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(この呼びかけの前だったと思うが?、最初に関係者の集まった会議がカトリック会館で行われた。フィリピン人シスターたちも参加していたので、会議の最初に、会議を英語か日本語のどちらで行おうかという話になり、その時の参加者で英語ができないのは私ぐらいで、結局、英語で行われることになった。英語だけの会議に参加するのは初めてでビックリした。藤原)

ブレンダさんの闘病を支える会(案)

 八幡市に住むフイリッピン女性ブレンダ・ガルシアさんが、思いがけない大病を患い、苦しんでいます。本年3月3日、蜘蛛膜下出血のために倒れたブレンダさんは、八幡中央病院から救急車で、京都市西京区のシミズ病院に運ばれ、緊急の開頭手術を受けました。幸い手術は成功し、半身不随の障害は残りますが、一命を取りとめることが出来ました。脳神経外科の専門病院として、優れた業績を上げているシミズ病院の治療を受けられたのは、不孝中の幸いといえましょう。今後も、頭骨を補修する手術や、長期にわたるリハビリテーションが予定されています。

 しかしながら、高度な技術や機材を要する手術であるため、医療費がかさみ、約1カ月後の退院までに、5百万円に達する見込みです。ブレンダさんには、このような高額治療費を負担する貯えがありません。彼女の窮状を救うためにシミズ病院は、関係自治体の福祉事務所、厚生省、在日フィッリピン総領事館等に、医療費扶助を要請しましたが、望ましい返事が得られません。私立の医療機関であるシミズ病院では、医療費を払えない患者が増えると、経営困難に陥いる恐れがあるので、国立病院、大学付属病院、赤十字病院等の公的医療機関に移ってもらう方法も考えました。しかし、彼女の治療を引き受けてくれる公立病院は、見つかりません。

 ブレンダさんの在留期限が切れ、不法残留状態になっているというのが、その主な理由です。このように、在留期限を越えて日本に住み、働いている外国人の数は、近年増える一方であり、20万人以上とも言われています。考えてみれば、ソ連邦で火傷したコースチャ君やセルゲイ君などに比べても、日本人にとってブレンダさんの治療を引き受ける責任の方がより大きいでしょう。彼女の労働が、たとえ不法就労であっても、私たちの生活を支えてくれたに違いないからです。

 日本政府にお金がないわけではありません。湾岸戦争のためには、1.5兆円の戦費を出しています。民間航空機であれ、自衛隊機であれ、アンマンの難民のために送る救援機にも、莫大な予算が計上されてきました。不法就労者への医療費負担は、それよりもはるかに少ない金額で済みますが、はるかに重要性が高いはずです。

 たとえば、年賀はがきの収益金のうち約1億円が、湾岸難民の医療費に当てられることになっています。年賀はがきの製紙、印刷、配達から古紙回収や再生紙製造までの過程を考えると、在日外国人の労苦が貢献していないとは言い切れないのが、日本社会の現実です。湾岸難民の医療も、ソ連少年の医療も大切です。人の命が同じように尊いとすれば、私たちは、ブレンダさんのような不法残留外国人の医療費も、同じように負担すべきではないでしょうか。

 この問題を考える集まりを持ちたいと思います.どうかご参加下さい。

日時;1991年4月3日午後7時
場所;京都カトリック会館6階会議室(三条河原町東側)
呼び掛け人;
アルタグラシア・ミゲル、エミリアーナ・エンカナシオン、奥村年幸、上内鏡子、鎌田論珠、小山千蔭、斉藤千宏、サレミング・ゲラルド、高畑幸、武知美奈子、戸井田エドナ、中村尚司、野田雄一、藤原敏秀、マーサ・メンセンディーク、村田主計、ランドルフ・ダヴィッド、山本幸美